ガラス繊維 種類

FRP造形用に使用する一般的なガラス繊維素材でも種類があります。それぞれに特性や強度も違ってきます。

 ※グラスウールを束にしたものをストランドと表し、それをまた束にしたものをロービングと表します。

 ※マットはランダムに積み重なった生地を表し、クロスは縦横の平織した生地を表します。

チョップドストランドマット 

50mm程度の長さのガラス繊維(ストランド)をランダムに積み重ねバインダーで結合したものです。

厚みによる#300・#450・#600と番手が有り、数字が高いほど厚みがあります。

使用時は全面に樹脂を浸透させてから、型等に張り付け脱泡ローラー等で馴染ませます。

局面などに柔軟性を持たせる為に、もみほぐして使用する方もみえます。

積層枚数(プライ)を増やすと、厚みも増し強度も上がります。

一般的に一番良く使われているガラスマットです。

エマルジョンマット(チョップドストランドマット)

50mm程度の長さのガラス繊維(ストランド)をランダムに積み重ねバインダーで結合したものです。

浸透性が良く・ガラス繊維の飛散も少ないです。

3次曲線への馴染も良く、弊社では此方を主に使用します。

ガラスクロス

縦横と網目状にガラス繊維を織り込んであります。

ガラス繊維の飛散は切断部分以外ほぼありません。

積層面も均一できれいに仕上がります。

平織の特性上、斜めに歪ませると曲線にも馴染みます。起伏の激しい造形には不向きです。

繊維の方向に対して斜めの強度は劣る為、積層する場合は方向をずらして積層する必要があります。

 

ロービングクロス

ロービング(束の繊維)を織り込んであります。

通常のガラスクロスより織り目が大きいです。その分厚みもあります。

サフェースマット

凄く薄いガラスマットで、ティッシュペーパーの様に柔らかく、更に薄いです。

仕上がり表面を滑らかにしたい時や、細かな部分の造作等はに何枚も重ねて使用する事もあります。

 

他にも軽量で剛性のある心材等で使用するハニカム構造のコアマットなどもあるみたいです。

FRPでも、GFRP(ガラス繊維)・CFRP(炭素繊維(カーボン繊維))と繊維で表示も変わります。

他にも天然素材(植物系・動物系)の繊維もありますが、現在のところ弊社では使用しておりません。

 

軽くて高強度・高剛性を兼ね備えた複合素材として、FRPはこれからも進化していくと思われます。

飛行機・船舶・車両・浴槽・オブジェ、様々なFRP製品が私たちの生活を更に豊かにしてくれることを願っています。